金目・銀目(岐阜県揖斐郡)

 日本星名辞典に、<きんめ・ぎんめ>(金目・銀目)について、「金目銀目の猫の目と見ても通るが、それ以上にこれら二星―βのオレンジと、αの白とを見わけて、金・銀とよんだことは、和名として珍重していい」とある。

 金目・銀目を記録された香田壽男氏に次の点を確認した。

@オレンジ色のポルックスを「金目」、白色のカストルを「銀目」というようにひとつずつを分けて呼んでいたか。

A金目銀目即ち、一方が金色で他方が灰青色の目の猫をイメージしたか。

 香田氏からの手紙には、近所の老婆が、西にある小島山に懸ったポルックス・カストルを見て、「アノオヒトンタア(お人達)がキンメトギンメジャ」と一緒に呼んでいたように記憶しているとあった。

 ホシ(星)のことを、オヒトンタア(お人達)と呼んだのだった。猫の目ではなく、個々ひとつだけで分けてでもなく、星ぼしを人にたとえて、大きい人がでとんのさ、キンメ、ギンメ…と親しみを持って語ったのだった。

キンメとギンメ(香田氏による図)

 

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