ケンキチボシ(鹿児島県出水郡東町弊串(ヘぐし))
2004年11月、昭和3年生まれのNさんから、ケンキチボシという宵の明星の星名を聞きました。Nさんの話です。
「ケンキチというのは、私たちの小学校時代から17、8くらいにいた人。その人ががんばりする人間。きばる人間、その人の名前をとってケンキチボシ。ケンキチは星の出るまで働く。ケンキチボシは夕方暗くならないと見えない。夕方暗くなって見えるときまできばった」
「前島に住んでた。昭和11年くらい、昭和10年くらい、ケンキチさんが天草から来て、前島を買って、弊串の個人の人が持ってたのを、ケンキチさんが買うて。そこに住んで、山の手入れをした。杉とか樫の木の入れをした。山仕事がんばって、夕方、けんきちぼしでるまで手入れしていたので、かずらも切ってなかった」