もっこぼし

    

もっこぼし(湯村宜和氏撮影)        背負いもっこ

 

 星空に背負いもっこを描く(湯村宜和氏撮影)

 

 日々の暮らしにヒアデス星団はものすごく近い存在でした。岩手県大船渡市赤崎町で聞いた話です。

 「モッコというのはね、ちょうどここにこうあってね。まずこんなにね。こうなっちゃったべかね」

「どうしてモッコというかと言うと、この辺にね、あのしょいものつくったわけ。そして、こう、ちょうど、こう……、何して、こうしよって、こうしよって歩くものあったんだものねえ。その格好していたから、モッコと言ったもんだものね」

「あー、あー、モッコボシが出たってね、そう言ったんだな。あのとき、あのスルメがいっぱい釣れたんだな―と。で、何時頃だから、あしたもそのあたりまで待ってみるか−と言ったもんだが」

 ヒアデス星団のV字形を背負いモッコに見て、イカ釣りの目標にしたのでした。

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