プレアデス星団との出会いと別れ
(プレアデス星団の見えない期間)
喜舎場永王旬氏著『八重山古謡 下巻』(沖縄タイムス社、1970、pp.581−586。)に、次のような「星水(プシイミジイ)アユ」という古謡が掲載されています。
「星水ヌヨイ、ユドゥンヤヨイ、四月ヌ、イリユドゥンドゥ」
「星(プシ)」とは、プレアデス星団、「ユドゥン(淀ン)」とは、地平線下に沈むことです。
プレアデス星団は、旧暦4月8日から一週間は西に沈んで見ることができないが、一週間後の明け方の東の地平線で出会うことができると歌ったのです。
一週間後にプレアデス星団を見ることができたのでしょうか。
日の出20分前、日の入り後20分にプレアデス星団を見ることができれば、一週間というのも可能です。しかし、透明度がよくても極めて困難だと思います。
日の出45分前、日の入り後45分とすると、1900年、1700年で19日くらいとなります。(図参照)
しかし、プレアデス星団との別れと出会いを観察して歌うこと、それはすごいことでまさに感動的です。一日も長くプレアデス星団とともにいたい、その思い、それこそ人と星とのかかわりの原点だと思います。
(図は、沖縄県波照間島の緯度の場合について算出しました。算出には、ステラナビゲータVer.7を用いました)